鶴田真里子牧場様
鶴田真里子牧場様は、酪農家と県酪職員という兼業経営をされている牧場様です。管理者の鶴田優貴さんに、兼業経営の日々の運営やVMS導入を検討された経緯、今後の目標をお聞きしました。
- 所在地:熊本県大津町
- 牧場名:鶴田真里子牧場
- 搾乳システム:VMSスープラプラス
- 飼養頭数:58頭
(※2022年9月現在)
Q.牧場の概要を教えてください。
親子3人で家族経営をしています。私と父は、日中は外部で働いている兼業酪農家です。祖父の代から酪農経営をしており、その当時は庭先酪農のような1頭の牛を自宅の敷地内で飼養していたと聞いています。元々は両親がメインで経営しており、自分で継ぐことはあまり考えていませんでした。しかし、父が規模拡大を検討していたこと、周りに知り合いが多く恵まれた環境だったこともあり、今は県酪の職員をしながらメインで管理を行っています。
Q.搾乳ロボット導入を検討した経緯は何だったのでしょうか?
2016年に発生した熊本地震は、搾乳ロボットを検討する大きなきっかけになりました。それまで使用していた牛舎が地震の被害でつぶれてしまい、新たな牛舎を建てなければいけなくなってしまったんです。搾乳ロボット自体の存在は以前から知っており、近隣で導入する人も徐々に増えてきたところでした。実機を見に、既に導入していた他の牧場視察にも足を運びましたね。作業性を考えたときにも搾乳ロボットを入れたら楽になるのではないか、という印象を持っていました。
また、乳量増加への期待もありました。つなぎ牛舎のときも34~5kgくらいあったので成績は良かったのですが、35~6kgくらいいけたらいいなと思っていました。
Q.VMS導入前にどのようなことを検討しましたか?
牛にストレスをかけたくないという希望がありました。そこで牛舎設計を行う際、デラバルには牛が自由に往来できるフリーカウトラフィックを採用した設計を何度も何度も相談しました。牧場を運営する上で何を優先するかによって設計を考える必要があり、もし人間の作業性を考えるとミルクファーストトラフィックもいいなと思います。
Q.VMS導入により、搾乳形態が大きく変わったと思います。苦労された点はありましたか?
VMSを導入していよいよ搾乳が始まった後、疾病を持つ牛が一時的に増えてしまったことがありました。そのため、離脱を早くするようVMSの設定を細かく変更して対応しました。ベッドメイキングの重要性も実感して、日々の作業で気を配るようにしたところ徐々に減っていきました。
Q.兼業スタイルを取られている鶴田牧場様の日々の運営方法を教えてください。
母には牛追いを担ってもらい、私は朝、牧場に来て牛の個体ごとの状況を把握し、必要な作業を行ってから仕事に行くような形です。スマートフォンからもVMSに接続しているPC上のデータにアクセスができるので、遠隔で見ることも可能です。また、異常を知らせるアラームの条件を下げたりして必要な対処が遅くならないようにしています。1頭1頭の乳量もすべてデータを見れば一目で把握できるので、助かりますね。
Q.VMSと同時に導入いただいた機器で満足度の高い機器は何ですか? 繁殖管理のために導入したハードナビゲーターは、抜群に良い機能で満足しています。これまでは発情状態を目視で行っており、見逃してしまうこともありました。今はハードナビゲーターがデータで知らせてくれるので、自分で行うのは最終確認だけで良いです。疾病の可能性や体調不良の兆候も、データで把握できます。
Q.今後の目標を教えてください。
将来的には、現在は1台のVMSをもう1台増やして2台体制で行っていきたいと考えています。ただし、堆肥処理の課題もあるのでどのように処理していくかということも合わせて検討しなければいけない。牛舎を120~30頭ほどの規模にして、1群2台だとより良いのかなと思っています。もう少し先の話ですけどね。現在、育成舎や乾乳舎とVMS牛舎の間に距離が少しあり作業効率が悪いので、さまざまな方法を模索して向上していくことが直近の目標です。乳量は、常時40kgを超えていきたいと考えています。現在も40kg程度を保っており、常時2トン、2.2トン程度は目指していきたいですね。
※デラバルは、この結果が典型的なものであると主張するものではなく、この情報はサービスの保証を意味するものではありません。実際の性能や改善は、搾乳方法、牛の種類、牧場や牛群のメンテナンス方法など、さまざまな要因によって異なります。