有限会社つだ牧場様
熊本県大津町にある有限会社つだ牧場様は、旧モデルのVMSスープラプラスから最新モデルのV300に入替をされました。ご家族で経営されるにあたり、VMSが担った役割や牧場運営の工夫を伺いました。
- 名称:有限会社つだ牧場様
- 搾乳システム:VMS™V300 2台
- 従業員数:4名(ご家族)
- 飼養頭数:126頭
※写真は左から、稜平さん、代表取締役・朋哉さん、恵美さん、優人さん
Q.旧モデルの搾乳ロボットVMSスープラプラスを導入した経緯を教えてください。
恵美さん:「従業員を二人抱えて、その他に私一人で100頭を搾乳していたので負担が多く大変でした。VMSスープラプラスを入れる前はパーラーで搾乳していましたが、息子たちがいたのでゆくゆくはロボットを導入したいな、と考えていたんです。酪農業界も人手不足が深刻で、今後外部から人材を確保し続けていくのも難しいだろうなと感じていました。ただ、実際にロボットを導入する時期は5~6年後くらい先かなと思っていたのですが、さまざまなタイミングが重なり1年後くらいには牛舎レイアウトを考えていました。
パーラーを導入するさらに前の繋ぎ飼いの頃にはアルファラバルの機器を使用していたので、デラバルとは長いお付き合いです」。
Q.最新モデルであるVMS™V300への入替のきっかけは何だったのでしょうか?
恵美さん:「約2年前に、鹿児島県でV300を入れたという牧場に視察に行ったんです。実機の動きを見たとき、乳頭洗浄とカップ装着の速さ、カメラの性能が想像以上で衝撃を受けました。旧モデルのユーザーである視点で比較すると、装着や搾乳時間の短縮は目に見えて改善されているのがわかりました。旧モデルのVMSスープラプラスは徐々に修理の頻度も多くなってきて、ゆくゆくは入替の必要性を感じてはいました」。
朋哉さん:「その頃、ロボットも含めた今後の計画をちょうど検討していたので、その計画に合いそうだなという印象もありましたね」。
稜平さん:「僕も見たときには、すごく早いなって思いましたね。ディッピングも1本ずつ、乳頭口へしっかりと噴霧されていたのも魅力的でした」。
Q.実際にVMS™V300の実機を入れて頂いた後の実感はどうでしょうか?
稜平さん:「装着時間の早さには改めて驚きました。旧モデルのVMSスープラプラスでは、搾乳に7分半かかっていたのが6分半を切るくらいになり約1分間短縮されました。その短縮された1分間が、全体の搾乳回数増加につながりましたね。正直なところ、そこまで予測はしてなかったので衝撃的でした。また、VMS自体のトラブルもこれまでの約3分の1程度になりました。ユーザーの立場としては、機能が向上すると共にトラブルの減少も目に見えてわかるので助かります。とても満足しています」。
Q.VMS™V300の導入と同時に、既存牛舎のレイアウトを変更されたんですね。
恵美さん:「VMSスープラプラスを導入していた時はゲートを採用していたのですが、V300への入替を機に外しました。最初は牛が本当にロボットまで来てくれるのか不安もあったのですが、今では牛自身が「ロボットに行けば食べれる」と認識しているようです。ゲートがなくなってストレスが減り、来やすくなったように感じます。もちろん、牛の個体によっていわゆる「強い・弱い」はありますが、どの個体もロボットの近くにきちんと来てくれています。既存牛舎内で入替を行い、誘導トラフィックからフリーカウトラフィックへの変更は大きな変化でしたが、これまで通り結果を出しながら経営していると自信を持って言えます」。
Q.入替と同時に生乳分析装置・ハードナビゲーターHN100も導入頂きました。
稜平さん:「元々プロゲステロン測定には魅力を感じていたので、機能が特化されたことでVMSのメンテナンスや扱いも楽になりました。ハードナビゲーターHN100の本体自体はロボット内部に付設されていますし、万が一トラブルが起きてもVMSと同時に見ることができます。測定・分析に必要なカセットの入替頻度も2~3週間程度毎で良いですし、自分で簡単に行えるため手間がかからず助かります。
繁殖管理を行う上で発情兆候が早期にわかるのは、非常に大きなメリットです。ある程度受胎しているだろうなというデータに基づいた根拠があるので、妊娠鑑定を行う獣医師の精度も高くなりました」。
朋哉さん:「同時に導入した活動量を図るアクティビティメーターシステムとの相乗効果も感じています。ハードナビゲーターだけだと発情開始時間がわからず、バラつきが出てしまうことがあります。例えば、搾乳時間が12時間空いている場合は発情兆候を見れないと実際にいつ始まったのかわからないので、より精度を高められていますね」。
Q.ご家族で経営される上での工夫はどんなところですか?
朋哉さん:「日々の作業は兄弟3人で行っていますが、それぞれ得意分野があるので担当を分けています。VMSを入れたおかげで搾乳作業から解放され、メインで行う業務を一人一人決めて役割を明確にできたので、しっかり専念できます。パーラーで搾乳をしていた時は、搾乳時間が固定されていたので自分が行っている業務が途中の状態であってもその手を止めて、全員が集まらないといけませんでした。それぞれの業務の質を向上できている部分は大きなメリットだと感じています」。
Q.搾乳ロボットを導入したことで、生活スタイルへの影響はありましたか?
稜平さん:「作業面の負担軽減以外に、休日もきちんと取れるようになりました。休日は自分の時間をしっかり取れるので、リフレッシュして日々の業務につけます。搾乳による時間の拘束がないので、もうパーラーでの搾乳には戻れないと思います」。
Q.今後の目標を教えてください。
朋哉さん:「一人一人が自立して業務を行っていき、役割を極めていきたいと考えています」
稜平さん:「VMS1台で2.5トンの収量を目指していきたいです!」
優人さん:「自給飼料の管理を一手に引き受けているので、高品質な飼料生産を目指していきたいです」
恵美さん:「息子たちが帰ってきてから、それぞれ目標を持って取り組んでいます。私は、酪農経営を行っていく上で牛を長命連産させたいと思っています。牛が健康じゃないと搾乳ができないし、1年1産程度で長く飼養していきたい。ただ、次世代の息子たちが経験を積むために、牛の改良やロボットに合う個体を作っていくことも必要ですね。ロボットを導入すると搾乳作業の負担はなくなるわけですが、酪農家自身がロボットをどうやって活用していくのかをしっかりと考え計画を立てることが重要だと思っています。決して作業から解放されて楽になるというだけではなく、それ以外にも、例えば牛の状態や収集されたデータの確認など、気を回さないといけないことは増えていきますから」。
※デラバルは、この結果が典型的なものであると主張するものではなく、この情報はサービスの保証を意味するものではありません。実際の性能や改善は、搾乳方法、牛の種類、牧場や牛群のメンテナンス方法など、さまざまな要因によって異なります。