合同会社猪狩牧場

合同会社猪狩牧場様は、北海道・上士幌町に位置する家族経営の牧場様です。増頭を機に搾乳ロボットVMS™V300を導入いただきました。どのようなメリットを感じられているのか、お話を伺いました。

合同会社猪狩牧場様

  • 所在地:北海道上士幌町
  • 搾乳システム:VMS™V300 4台
  • 搾乳頭数:280頭(※数字は、2023年9月現在)

Q.牧場の概要を教えてください。

合同会社猪狩牧場です。経営は両親と兄と自分、奥さんの5人とベトナムからの従業員が一人います。搾乳牛は約260頭、育成牛を合わせると400頭程います(※2023年9月時点)。

Q猪狩牧場の成り立ちは?

牧場自体の始まりは曽祖父ですね。元々はつなぎで、祖父の代から父が引き継ぎました。つなぎからパーラーへの入れ替えは父の代で行いました。規模拡大と施設劣化が大きな理由です。つなぎで搾っていた時は100頭弱で、その後自家繁殖で240頭まで増やしました。パーラーは、10頭Wのパラレルタイプを使用しています。

Q.VMSを4台導入頂きました。きっかけ何だったのでしょうか?

それまではパーラーだけで240頭を搾乳していましたが、頭数が増えてきたので父と「ロボット入れたいね」と話していました。以前、自分が実習で訪問した牧場にVMSが入っていたので、それを参考に選択しました。現在、私と奥さんはロボット牛舎担当で任されており、パーラーは兄の担当になっています。VMS™V300は装着が早いのと、ハードナビゲーターHN100をより有効活用できたらいいなと思って、選びました。

Q.ロボットを入れる時に不安だったことはありましたか?

元々ずっとパーラー搾乳を行っており、今もそうですけど、繁殖や育成牛の育て方など、すべて人任せだったので、ロボット導入で牛にどうストレスがかかるのか、かからないのかは気になっていました。また、自分の中では、特に牛の増え方などはパーラーとはまったく違うやり方なので、牛自体がロボットに合うか不安でした。
ロボット自体の扱いも、実習先に入っていた本体を見て自分でも操作がちゃんとできるか、という点も不安なところでした。そういった不安や心配な点は、高校の時にお世話になっていた、既にVMSを使っていた牧場で話を聞いてみたり、ロボットの説明会などを聞きに行ったりして解消していきました。

Q.実際にロボットを導入した時に苦労したことは?

機械自体を覚えるのは、一番頭を使うと思いますね。今までは、搾乳だけに集中すれば良かったけどロボットを入れたことで、まずはロボット自体を覚えないといけないので、それは大変かな。同世代のロボットユーザーの友達と意見交換会を開いたり直接聞いたり、デラバルの担当の人に連絡して聞いたりしていましたね。

Q.ロボット導入でデータによる牛の管理に変わりましたが、やりやすさやパーラーと比較した際の印象はどうでしょうか。

元々、繁殖管理は父が行っていました。ロボットを使用して繁殖管理をするのは私が初めてだったので覚えることがたくさんありましたが、これからは私が中心になって繁殖を上手く回せるようになったらいいなと思います。デルプロは自分が思っていた以上に見られるデータや、管理できることが多かったのでもっと勉強して使いこなしていけたらと思います。パーラーではできなかったような細かい管理ができるようになると思うので、期待しています。

Q.ご兄弟が今後主体となって牧場運営を行うにあたって
元々は規模拡大して、搾るっていうのが目的だったけど、乳量だけじゃなく乳質も管理できるし、

奥様:一頭一頭の健康状態を見られるし、時間をきちんと掛けられますね。繁殖管理もそうです。

裕平さん:少ない人数で多くの頭数を搾れるので、その分デルプロで管理しつつ、より良い後継牛を育てられるといいなと思います。

Q.デラバルスタッフとの関係性は?
パーラーは他社のものなので、デラバルとのお付き合いは搾乳ロボットからになります。私たちともそうだし、デラバルの従業員同士も仲が良い印象です。ロボットに関しても、すごくわかりやすい説明をしてくれるので助かりますね。これからも寄り添ってもらえたらうれしいなって思います。

Q.サービスは定期点検契約になっています。
この間、初めて1回目のメンテナンスを受けましたが、部品も交換してくれたので助かりました。

Q.なぜご自身のキャリアとして酪農家を選択したのでしょうか?

牛に携わる仕事自体にやりがいがあったので、進路も農業系を選択しました。牛の体作りや共進会への出品、牛へ接した分だけ返ってくる、という部分にやりがいを感じていました。

Q.自身が酪農家になることは自然なことだった?

物心ついたときから牛と一緒に生活していました。自分では覚えてないけど、牛と一緒に寝ていたこともあったそうです。牛が好きで、酪農家しかないなって思っていました。顔がかわいいな、と思うし、体がとても大きいので抱き心地が好きだなって思います。パーラーしかなかった頃は、朝晩の搾乳時に搾乳ユニットを付けたり、ごく自然に一人の酪農家として搾乳作業をしていました。

Q.酪農一家で育ち、農業系の学校へ行き、酪農ヘルパーとして自分の牧場外で色んな経験をされてきたと思います。家業に戻った時に家族経営の難しさや、やりやすさを感じた場面はありましたか?

家族経営ではお互いに意見をしやすかったり、思ったことは両親からも言ってくれたり、情報交換がしやすいですね。ただ、やはり近すぎる存在ではあるので、意見の食い違いは多々あります。ただ、ロボット牛舎を建てたことで部門を分けたので、お互いに苦痛にならずに仕事ができています。

Q.部門に分けた理由はあったんですか?

元々は分けずにみんなで回そうか、と話していましたが、私自身は酪農ヘルパーとして自分の牧場外も見てきたし、VMS™V300自体も実際に見てきて経験があったので、自分が一番向いているのかなと思い、そのような形にしました。私たちは、この牧場の4代目として兄と一緒に運営していくことにしています。父は不安に思っている部分はあると思いますけど、兄弟として手を取り合って頑張っていきたいと思います。

Q.次世代の酪農家として、今後意識していかないといけないことは何でしょうか?
新型コロナによる影響や、色々な業界で仕事が厳しい中、酪農家のやりがいや牛のかわいさ、機械化の恩恵、仕事の効率化など、酪農業をより多くの人に理解してもらえたらいいかなと思います。そのために他のロボット使っている友達と情報交換したり、SNSで情報を発信したりしています。

Q.搾乳ロボット導入を考えている酪農家の友人がいたらどうアドバイスする?
決してすべてが自動化になるわけじゃないけど、拘束時間がだいぶ減るし、一頭一頭の牛の管理がデータでしやすくなったので、それを勧めたいですね。

Q奥様は非酪農家ご出身でしたね。
パーラー搾乳までの経験はありましたが、その時は仕事の時間は搾乳だけしかできませんでした。VMS牛舎に移ってからは搾乳以外のことに集中できるからいいなと思うし、嫁ぐ前は「酪農家ってすごく大変なんだろうな」と思っていましたが、今は必ず1日はお休みをもらえています。現在、私たちは車で牧場に通っている形ですが、それでも十分まわしていけると思います。

Q.酪農に興味がある人がいたとしたらどんなアドバイスをしますか?
酪農家は、覚えることはたくさんあるし3Kがつきものですが、それをやりがいに変えられるようになれば、楽しんで仕事ができると思います。搾ったら搾った分だけお金になるし、今の時代はパソコン上でデータの管理ができますから。
大変なのは、牛の生活に合わせることですね。朝早く夜遅いときもあるので、疲れがたまりやすいときもあります。
どんな仕事でも、色々メリット・デメリットはあると思いますが、酪農業は牛と一緒にいて楽しい!ということが、それ以上に得るものがたくさんあると思います。酪農は私にとっては「生きがい」ですね。サラリーマンのような生活も可能になるのではないかと感じます。
新規就農で新しく始めたい人も、VMS™V300で仕事の効率化を図れるし、必要な作業に費やす時間が短縮されるので、休みも取れ、お給料もちゃんと頂いていると思えるので、働きやすいと思います。

 

※デラバルは、この結果が典型的なものであると主張するものではなく、この情報はサービスの保証を意味するものではありません。実際の性能や改善は、搾乳方法、牛の種類、牧場や牛群のメンテナンス方法など、さまざまな要因によって異なります。

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