洞田貫牧場様
熊本県阿蘇市の株式会社洞田貫牧場様が、弊社のVMSスープラプラスで1台1日当たり3トンの乳量を達成されました。世界でもトップレベルの乳量を達成した洞田貫牧場様に、その秘訣や心がけている点、今後の目標をお聞きしました。
- 名称:株式会社洞田貫牧場
- 搾乳システム:VMSスープラプラス 2台+パーラー
- 従業員数:日本人従業員5名・外国人研修生3名、優造さん(代表取締役)、雄大さん(役員)の10名体制
- 総頭数(うち経産牛):350頭 (うちVMS搾乳:140頭、パーラー搾乳:100頭)
- 1頭当たり平均乳量:VMS搾乳 39~41kg、牧場平均 37~38kg
(2022年11月現在)
Q.VMSスープラプラス1台1日あたり3トンを目標に設定された経緯を教えてください。
VMSを導入しようと考えたとき、「世界中のVMSを入れている牧場で、最も搾乳しているところはどれくらい搾っているの?」とデラバルに聞きました。「3トン/日ほどです」という返答が返ってきました。そのため、VMS牛舎を設計した当初計画していたバルククーラーのサイズを5トンから6トンへ変更し、ロボットとパーラーの併用で、パフォーマンスの高い牛たちをロボットで搾乳する方針を取ることにしました。さらに、VMSの稼働を継続していく中で、ロボットに適した個体改良も進み、50kg/日を超える牛たちも登場してくるだろうと予測していました。
Q.現在のVMSの稼働状況はいかがでしょうか?
現在は、2台のVMSスープラプラスで140頭を搾乳しています。乳房炎の発症や体調不良の牛も少なく、約2頭/月程度です。平均搾乳時間は1頭当たり約7分と早く、搾乳時の平均流量は約2.49kg/minで非常に高いと言えます。現在は搾乳頭数が多いため、朝夕に10頭程をロボットへ誘導しています。(※各数値は、ロボットによる搾乳時です)。
Q.このような好成績のために、どのような工夫をされていたのでしょうか?
VMS牛舎を設計する段階から、24時間で2台のうち1台は必ず搾乳ができる環境を作っていきたいという希望がありました。そのため、とにかくVMSを止めることなく稼働させ続けるということは意識していました。デラバルからアドバイスをもらい、VMSの使い方を変えてみるなど試行錯誤しました。具体的には、ロボットの洗浄時間を牛の訪問が少ないタイミングに行うなどです。こういった工夫の積み重ねが、乳量成績にもつながっています。
また、VMS牛群の入替を検討する際、高パフォーマンス牛の選定にデルプロからのデータを活用しています。必要なデータを自分好みに並べて、どの牛をVMS牛群に連れてくるか、牛の入替の判断をする材料に活用しています。
発情状態は毎日必ず見るようにしていますね。牛の選定には、1週間に2~3回程度確認しています。他の作業が立て込んでパソコンでの操作ができないときには、スマートフォンに入れている デルプロコンパニオンでイベントなどを登録しています。わざわざパソコンの置いてある管理室まで移動する手間が省けて便利ですね。
Q.どのような時にロボットの恩恵を感じましたか?
搾乳に関わる労力を削減できたことは、本当に大きな労力の軽減となっています。人間の感覚的な作業のように個人差やムラが出ず、作業自体の質が安定していることも大きなメリットだと思います。例えば、乳頭洗浄などをはじめとした一連の正確な搾乳工程により、疾病もパーラー牛群より少ない印象です。
Q.今後の目標を教えてください。
現在は、搾乳牛140頭を2台のVMSで1台あたり3トンを達成しましたが、個体乳量を上げることで120頭程度で3トンを目指していけたらいいなと思います。ロボットも機械なので、メンテナンスに必要な時間の確保は非常に重要だと考えています。
また、今はロボットで搾乳できる牛に制限があるので、改良を進め乳頭配置の良い牛を揃えていきたいです。ゲノム解析にも興味があって、さまざまデータから判断して繁殖管理の精度をより高めていきたいです。
※デラバルは、この結果が典型的なものであると主張するものではなく、この情報はサービスの保証を意味するものではありません。実際の性能や改善は、搾乳方法、牛の種類、牧場や牛群のメンテナンス方法など、さまざまな要因によって異なります。