
有限会社萩原牧場様
群馬県長野原町北軽井沢に位置する有限会社萩原牧場様。約30年以上にわたり使用してきたアブレストパーラーから、VMS™V300 2台へと大きく飼養形態を変えられ順調なスタートを切っていらっしゃいます。どのような構想が飼養形態の変化を促したのか、代表取締役の萩原一禎様と奥様の奈津美様にお話を伺いました。

- 名称:有限会社萩原牧場様
- 搾乳システム:VMS™V300 2台
- 従業員数:3.5名(ご夫婦+従業員+パート)
- 飼養頭数:250頭
※写真は左から、代表取締役・一禎様、奥様の奈津美様

■これまでは、約30年使用していたアブレストパーラーで毎日3回搾乳。機械修理も人材確保もコストや手間がどんどんかかるように。
萩原社長:「10年ほど前から搾乳ロボットを導入したい、という計画は持っていました。
V300を導入する前に使用していたアブレストパーラーは、導入から既に30年程経過していたんです。
不具合も多くなっていたし、搾乳に必要な人手も現在の3.5人に加えて7人。地域性を考えると、長く働いてくれる人材を恒久的に手に入れ続けることは難しいだろう、とずっと考えていました。
しかし、補助事業の関係や、タイミングが合わずにいたんです」。
■そんな時、V300の実機を視察に行く機会が訪れた。そこで目にしたのは・・・。
萩原社長:「同じく酪農経営をしている知人がV300を導入してちょうど半年が経過した頃、パッと視察に行ってみたんです。この時の行動力は、妻も驚くくらいだったそうです(笑)。 実際に視察してみると「あ、これなら自分にもできるかもしれない!」という確信が持てました」。
「なぜって、想像していた以上に牛の流れがスムーズだったし、導入にあたっての条件である「フリーストールの既存牛舎への増改築が必須だった」私の牧場にも十分当てはまっていたから。
実際に自分の目で見て、牧場の必須条件にどのように当てはまるのかを具体的にイメージしていくことができたと感じていますね」。
■自分の中で特に印象に残っていた、デラバルの「強み」
萩原社長:「デラバルでは、カウトラフィック(牛の流れ)を「誘導型」2種類と「フリー」の3つから選択できます。どれを選択したとしても途中で「違うかな」と思えば、もちろん改築は必要ですが、変更することができる柔軟性が魅力だと感じましたね。
私の牧場では雇用者の問題や、効率的なオペレーションを考えた時に「ミルクファースト」が一番合っている、という結果に辿り付きました」。
■「ミルクファースト」を選択するにあたり、「セレクションゲート」の導入は人手不足の解消に非常に助かりました。
萩原社長:「セレクションゲート」の導入も、人手不足を解消してくれる選択肢でした。搾乳許可のない牛は入ってこないし、多くなってしまってもまずは待機場に入れておけばいいので、余計な作業がなくなります。
最近は「バッチミルキング」という手法も良く耳にしますが、私の牧場でのVMS活用はその考え方と少し似ているように感じます。牛を待機場に入れておいて、ロボットを通過しないと飼槽に行けない、という形ですね。
いわゆる待機場に入れた後、搾乳した牛・していない牛が混在する、ということにならない構成にしました。ロボット2台を直列に並べて、搾乳が終わったらすぐに飼槽に向かうことができる。この仕組みが人手をさらに減らしてくれていると考えています」。
■V300がもたらした「これまでの酪農」からの変化は、とてもポジティブなものだった。
萩原社長:「搾乳ロボットが入るまでは、繁殖や日常管理などすべて手書きでやっていました。
何月は何頭が出産予定だったかな?乳量の把握は、月1回の牛群検定のみ。記録する情報を間違えてしまったら・・・?という緊張感に常にさらされてきました。今考えると、大変な手間でしたね。
でも、ロボットを入れたら牛群管理ソフトを使い、PCでデータ管理を行うことになる。それまで手書きで管理していた情報が、すべて自動で入ってくるということには導入前から期待していました。現在では、毎日データとして入ってくる個体情報を見て管理をしています。これは、自身の中でも大きな変化だと感じています」。
■搾乳ロボット導入を見越して始めた牛の改良
萩原社長・奈津美さん:「以前から搾乳ロボットの導入は検討していたので、牛の改良は4,5年前から始めていました。その改良してきた牛たちが現在、ちょうど3産目に入ったところです。
私の牧場では共進会に出品していたこともあり、搾乳能力の高い牛があまり多くいませんでした。
後々ロボットを導入するなら、ということで時間をかけて改良を重ねてきましたね。その結果が今、出始めているところかなと感じています」。

■いよいよ自身の牧場にV300が導入・稼働開始。その時から思っていたこと。
萩原社長:「既に導入していた知人の牧場で見た搾乳ロボットが、いざ自分の牧場で稼働する、となるとやはり注目するのは、「いかにしてロボットに合う牛を揃え、パフォーマンスを上げていくか」というのが重要課題であると思っています」。
萩原社長:「ロボットの機能としては、カップが分房別に離脱してくれるのがとても良いと感じています。特に乳頭口の状態がかなり良くなったな、と感じていますね。
渋い1本があっても他の3本と同じように扱わないので、過搾乳にならず乳頭に無理がかからないのが非常に良い点だと感じています。予め機能として付帯している、と聞いてはいましたが、その柔軟性にはとても満足しています」。
■人手が不要になったことで、今後の計画にも良い影響をもたらしている。
萩原社長:「元々、牛の改良を行っていたことや増頭したこともあり乳量は増加したのですが、それと同時にそれまで必要だった人材が不要になったことで、人件費の分が浮いた計算になります。
アブレストパーラーで搾乳していた頃のような経費がかからなくなりますから。
アブレストパーラー自体は、ロボットを導入してから約2~3か月程度で使用しなくなりました。
出産直後のフレッシュ牛は別搾が必要ではありますが、大きな労力にはなっていません。それ以外の牛は、全部ロボットに入れることが出来るので、個体別対応にかかる時間が減ったと感じています」。
■ロボット導入の相談から、今もサポートしているサービスマンまで、デラバルとは今後、長いお付き合いに。
萩原社長:「デラバル、という名前を聞いて持つイメージって「製品は良いけど、高い!」というのがありました」。
奈津美さん:「それまでお付き合いはほとんどなかったのですが、営業の方もこちらの疑問に迅速に対応してくれたし、仮にその場でわからないことがあっても、すぐに調べてきてくれた。そのフットワークの軽さも、私たちにはちょうどタイミングが合っていたのかなと思います。
ロボットを導入した直後は、「きっと何度も連絡をしなければいけないことがあるんだろうな」と予測していたんです。
でも、これまで思っていたより少なくきていますね。たまにあるトラブルにも親身に答えてもらえているし、何時間もロボットが止まって搾乳ができない、ということはありません」。
萩原社長・奈津美さん:「ロボット自体の性能が上がっていくことでこれまで以上に繊細かつ、高度な技術を持つようになったという意味合いでのトラブルはたまにありますが、それでも当初想像していたよりはトラブルも少なく、順調に稼働しています。サービスマンの質も高いので、わからないことにもすぐに親身になって対応してくれるのは、とても助かりますね」。

■これまで以上に自分自身で牛舎に入って、牛を観察する時間を持つように意識している日々。
萩原社長:「アブレストパーラーの時は、1日3回必ず個体を見ることが出来ましたが、それだけでした。しかし、今はそれ以上に牛を積極的に自らの目で見るようにしています。
何も問題がなければ2~3分程度でぐるっと牛舎内を周って見て、1日昼間2~3回、朝・夕の徐ふん時の牛追いで、合計5~6回程度ですね。
そこで、脚が痛そうな牛はいないか、とか発情している牛はいないか、とか直接見ることでわかることも多いです。
ロボットでは脚に障害が出ると歩いてロボットに向かえなくなってしまう=ロボットの稼働率を下げてしまうことに繋がると考えるので、素早く対処することが重要だと感じます。
また、食い込みも悪くなってしまうので、悪循環に陥ってしまうと考えています」。
■ロボットを導入した後の大きな変化・・・子供たちが興味を持って楽しみながらロボットを使いこなしてくれる心強い存在に。
萩原社長:「今までは、手書きで管理したり牛を追ってきたりとアナログだったのが、ロボットの導入で一気にデジタル化が進みました」。
奈津美さん:「ロボットの導入は、4人いる子供たちにとってはとても新鮮だったようです。
データの見える化で、良い時も悪い時も視覚化されて何が起きているのか出てくる。それこそ、自分自身のモチベーションにもつながります。
肉体的作業は減った分、PC作業を中心に行うようになって仕事のスタイルが変わりました。
仕事のスタイルの変化は、例えば夫が身体を痛めた時などは、私や従業員、子供たちが肉体作業をして、夫はPC作業をして、という役割を組むことができます。
また、これまであまり時間を作れなかった子供たちとの時間が導入後半年を過ぎたあたりから、だいぶ増えた感じがしますね。
作業をよく手伝ってくれる長女は、デルプロ(※牛群管理ソフト)上で牛追いが必要な牛を牛舎内で探し出して待機場まで連れていってくれます。
また、個体番号を見つけるのも楽になったので楽しんで見つけにいっているようです。
長女はまだ中学3年生ですが、ロボットでエラーが出てしまった牛に手動でカップを付ける操作をすぐに覚えて自分で出来るようになりました。これは未経験者でもロボットの操作自体を覚えてしまえば、扱うこと自体は難しいことではないのかな、と感じさせてくれる出来事でした。
今の若い世代は、身の回りのデジタル化に慣れているので私の想像以上に自分で気軽に操作を試して楽しんでいます。
VMS™V300が「シンプルでわかりやすい」とも言えるんでしょうね。子供たちにとって自分で工夫して出来るようになることがあるのは、楽しいことなんだと感じています」。
■ロボットを入れたから楽になった!という意識だけじゃ大変だと考えています。
奈津美さん:「以前、哺乳ロボットを導入した時もそうだったのですが、単純に機械が自動化されたから、あとは機械に全部お任せ!ということではなくて、その分、他に目を配る必要が出てくるという意識が必要だと感じています。結局、帳尻合わせをどこでやっていくか、ということだと考えています。
もちろん、ロボットをどのような存在として扱うのか、は導入する人それぞれ異なりますから、それに見合った付き合い方というのがあるんだろうな、と感じています」。

■家族と仕事の関わり方にも変化が出てきた。
奈津美さん:「これまでは搾乳時間も決まっていたし、子供たち自身が手伝ってくれる内容や出来ることも限られていました。
しかし、今では子供たちが自発的に休日でも朝から楽し気に手伝いに来るようになってくれました。
今となっては、夫と一緒に長女もロボットの洗浄をすることができるので、正直私がいなくても牧場を回せるな、って思いますね。
洗浄作業自体はそこまで難しいことではないし、何かあったとしても作業としては全体を回すことができると考えています」。
■未経験者でも挑戦できると考えている。
奈津美さん:「この経験があるので、もし今後、雇用者を受け入れる必要が出てきても、娘がやっても大丈夫なんだから、と身構えなくても済むと考えています。
本当にわからないことは、デラバルのサービスマンに聞けますから。
さらに言えば、ロボットは未経験者でも十分受け入れることを視野に入れられるのではないかと感じます。
これなら大変じゃない、困らない、と子供たちと一緒にロボットを扱う経験を通じて言えるようになったからだと思います。
現在、導入してから10か月程度経ちましたけど、ようやく楽になったね、と言えるようになってきました。夫は、1か月後くらいから言っていたと思いますね」。
■牛を大事にすることを第一に。
萩原社長:「牛は大事にしたい、それはずっと想っていることです。
長生きしてもらって、たくさん子牛を産んで、たくさん乳を出してもらう。それが結果、我々酪農家としては「稼ぎ」になります。
それは、搾乳システムがロボットに変わったから、ということではなくずっと今まで想い、継続してやってきたことです。
今後は、もっと牛群の中身を濃くする、改良をどんどん進めていって、より稼げる牛の集団にしていきたいと考えています」。
■日本の酪農の未来の姿
萩原社長:「もちろん、まずは自分自身の酪農経営を安定して回していくことです。
私たち夫婦は、このシステムであれば、子供が継ぎたいと思えば引き継ぐこともできるし、継がないのであっても事業継承することができるのではないか、と考えています。この先、20~30年くらいはやっていけるんじゃないかなと思いますね。
また、革新的な技術がどんどん海外から日本に入ってきてくれればいいなと思います。
繋ぎ飼いが多い日本では、ロボット導入の障壁は高いと感じますが、人手不足を考えると今後どんどん普及はしていくと思っています。ロボットが担う役割も大きくなっていくんだろうな、と考えていますね」。
※デラバルは、この結果が典型的なものであると主張するものではなく、この情報はサービスの保証を意味するものではありません。実際の性能や改善は、搾乳方法、牛の種類、牧場や牛群のメンテナンス方法など、さまざまな要因によって異なります。