ボディコンディションスコア(BCS)データに基づく給餌管理
牛を適切なボディコンディションスコア(BCS)に保つことは、牛の健康につながります。理想のBCSは分娩後に BCS が 0.5 低下し、泌乳期に入ると元に戻り、乾乳期を通して安定して維持できる状態です。しかし、個々の牛を管理することは容易ではありません。
BCSを利用して正しい給餌を決定する
そこで、十分な粗飼料を含むバランスの良い飼料から始め、牛の状態に合わせた給餌の必要性に応じて濃厚飼料を調整するために、BCSを活用できます。デルプロは移行期に、BCSが急速に減少する牛、またはBCSが増加する牛を特定できる機会があります。デルプロのフィードテーブルでは、食欲と乳量増加による給餌需要の増加に合わせて、濃厚飼料を徐々に増やしていくことができます。デルプロのフィードテーブルの詳細については、こちらをご覧ください。
(デルプロ™ファームマネージャーを活用して給餌戦略を実行する~「フィードテーブル」の活用事例~)。
BCSの高い牛に何をすべきか?
BCSの高い牛の管理は通常、飼料採食量が少ないためより困難です。泌乳初期の十分な時期(搾乳日数 90 日以前)に「食事調整」を行い、濃厚飼料を減らして粗飼料の採食量を増やすよう促すことが必要です。これは、濃厚飼料を減らしても乳量を減らすだけでなく、余分な状態を実際に「搾り出す」ために非常に重要です。
泌乳期の早い段階で濃厚飼料を減らせば減らすほど、牛はエネルギー損失を補うことができます。泌乳期間が長くなればなるほど、補完能力は低下し、濃厚飼料を減らす時期が遅れると、乳量が制限される可能性が高くなります。
デルプロ ファームマネジャーは、どのようにBCSの管理をサポートするのか?
BCS注意リスト
牛の注意リストを確認することも重要です。デルプロは、標準値からの逸脱を示すレポートを作成し、必要なアクションを提示します。
●提示されるアクションの例:
「濃厚飼料を変更しますか?」
「新しい飼料グループに移動させますか?」
短期間でBCSが増加または減少した牛は、注意リストに表示されます。
BCS牛群分布グラフ
BCS牛群分布は、個々の牛の最新のBCS値をグラフ上にすべて表示します。グラフでは、搾乳日数(水平方向)とBCS値(垂直方向)に表示された牛を見ることができます。グラフ内、真ん中の紫の線は、泌乳期間中の目標値を示しています。その周りには、品種モデルで設定された許容範囲が青色で表示されています。
下の例では、画面左側で、
・牛群内の異なるグループ(1)
・産次数別(2)
・セレクション(3)
のいずれかを選択することができます。
また、
・グラフに表示する日数を設定することもできます(4)。
・個々の牛をクリックすると(5)、その牛単体のグラフが表示されます。
画像:デルプロファームマネージャーのBCS分布図。牛群、グループ、牛の一部を選択するオプションもあります。
TMR(トータルミックスレーション)給餌
BCSは、TMR飼料を給餌している牧場において、牛群やグループ単位でのモニタリングに適しています。TMRは通常、濃厚飼料で調整することなく、牛群全体またはグループ全体に対して豊富な飼料を与えるため、個々の牛を調整することは困難です。そこで調整が必要かどうかを判断するために、牛の観察を行います。
調整は、グループの TMR 配合を調整することを基本に行うことができます。また、生産グループと一緒に作業する場合は、BCSがグループ変更の基準に役立つこともあります。牛を注意グループに分けることで、個別の舵取りをする機会にもなります。