デルプロ™ ファームマネージャーを活用した給餌戦略の実行 ~「フィードテーブル」の活用事例~
今日、給餌方法は世界各地で異なり、多様化しています。同じ泌乳期・日数の牛でも、ヨーロッパとアメリカでは給与される飼料が異なります。給餌戦略は、地域的な要因や粗飼料の栽培能力によって、牧場ごとに異なります。デルプロファームマネージャーは、さまざまな種類のフィードテーブルで多様な飼料をカバーします。ここでは、オプションと組み合わせについてインスピレーションを得るために、あなたの牧場独自の給餌戦略を実行するためのアイデアとして活用可能な成功事例と実用的な例をご紹介します。
※注意※ ここに記載されている数値はあくまで参考値であり、お客様の状況に応じた具体的なニーズを示すものではありませんので、変更を加える前に必ず担当のアドバイザーにご相談ください。
戦略例1.飼料割当量の手動設定と最適化
泌乳開始時に、牛ごとに飼料割当量を徐々に増やしていくことが可能です。分娩時に飼料割当量と目標を手動で追加し、「目標日数(※「目標」に達するまで何日かけるか)」を設定します。最初に使用するフィードテーブルは、7日間の平均乳量テーブルを使うことができます。それ以降、牛は乳量実績に応じた飼料を与えられます。飼料が多すぎる場合は、乾乳期に近づくと分娩までの日数(DTC)に基づいたフィードテーブルに従って、減らすことができます。移行期用の特別な濃厚飼料を与えている場合は、乾乳期にDTCフィードテーブルを使用して、分娩に向けて飼料を増やすこともできます。
戦略例2.泌乳期間中の自動給餌 - 飼料1種類のみの場合
自動化されたオプションとして、泌乳開始時から泌乳日数(DIM)に基づいたフィードテーブルを導入することができます。分娩すると、フィードテーブルは毎日再計算されるため、飼料割当量も戦略に従って徐々に増加します。
例えば、最初の搾乳日数100日を過ぎると、7日間平均乳量のフィードテーブルに切り替え、乳量実績に応じて飼料割当量を最適化することができます。その後、牛が乾乳期に近づくと、DTCフィードテーブルが再び飼料割当量を最小に抑えます。さらにここでは、乾乳牛用のフィードテーブルを組み合わせて、分娩前に徐々に飼料を増やし始めることができます。
戦略例3.泌乳期を通じた自動給餌 – 飼料2種類の場合
泌乳初期の牛に高エネルギーの濃厚飼料を与える場合、泌乳後期に与える標準的な濃厚飼料への移行期を設定することができます。これを行うには、搾乳日数に基づいて1つのフィードテーブルを作成し、その中でまず「飼料A」を作成します。切り替え時には、「飼料A」を徐々に減らし、同時に「飼料B」を増やします。
この後、乳量に応じた給餌を行い、乾乳期に向けて飼料割当量を最適化することができます。ここでもDTCフィードテーブルが、乾乳前に最小限の給餌量にするのに役立ちます。
戦略例4.泌乳期間中の自動給餌 – ピーク乳量時のボーナス給与
最後にご紹介するのは、泌乳初期のビルドアップを 泌乳日数テーブルで行い、搾乳日数 20~ 25日 からピーク乳量テーブルを割り当てるという組み合わせの例です。ここでは、「期待以上の乳量を出した」牛に報いるために、基本給餌分から少量の増加をすることを目的としています。この時期にはまだ飼料を減らすわけではなく、遺伝的能力の高い牛のピーク乳量をより高くすることに重点を置いています。ピーク乳量テーブルを使用した後、7日間平均乳量に基づいて飼料割当量を再度最適化し、DTC(分娩までの日数による)フィードテーブルを使用して乾乳に向けて飼料摂取量を減らし泌乳を終了します。
この4つの給餌戦略例を見て、あなたの牧場ではどんな計画が可能でしょうか。私たちは、給餌戦略を完全かつ自動化された方法で実施することにより、お客様の牛が持つ可能性を発揮できるよう、最善の環境を整えるサポートをいたします。
ギャップを意識する
1つの課題で複数のフィードテーブルを使用する完全な戦略に取り組み始めたら、ギャップを意識するとよいでしょう。この時、泌乳期間全体をカバーすることを忘れないでください。1つ目の課題が搾乳日数100日で終了した場合、2つ目の課題は搾乳日数101日で開始しなければなりません。デルプロファームマネージャーは割り当てを作成し、フィードテーブルの間に重複が発生しないようにサポートします。
最後に、ある給餌タイプから別の給餌タイプに変更する場合の注意点を1つ取り上げます。最初の割り当てで「給餌タイプA」を使用し、2番目の割り当てでは使用しない場合、2番目の割り当てのフィードテーブルには、この「給餌タイプA」を残す必要がありますが、不要であれば必ず「0 kg」に設定してください。この2点に注意すれば、デルプロファームマネージャーは給餌戦略を安全に実行する強力なサポートとなるでしょう。
※注意※ここで紹介する乳量に応じた給与値は指標であり、アドバイザーへの相談が重要です。このフィードテーブルをあなたの牧場でどのように活用するかについてのご質問は、デラバルの担当者にお問い合わせください。